細菌がもつ”超分子複合体”の機能を,1分子レベルで観察しています.
私たちは,光学顕微鏡を改造して,1分子レベルで超分子複合体の動きを解析しています.研究対象である細菌の中で動く分子を観たり,計測したりします.
・細菌べん毛の研究
細胞の中ではタンパク質が集合してできたナノサイズの分子機械が働いています. これら生体分子機械は未来の人工ナノマシンのお手本といえる存在です. 私たちは,細菌が水中を遊泳するときに用いるべん毛とよばれる運動器官の研究をしています.
・走性の研究
生物は時々刻々と変化する環境下において,適切な判断を下しています. 細胞内には情報処理機構が備わっており,1個の細胞で生きている細菌も例外ではありません. 私たちは,細菌がより良い環境を求めて応答する走性に着目して研究しています.
・薬剤排出機構の研究
近年,多数の抗生物質に耐性をもつ多剤耐性病原菌の出現が深刻な社会問題となっています.この多剤耐性能の主たる要因の一つは薬剤排出ポンプの発現にあります.その代表格的なRND型トランスポーターが,いかにして効率よく薬剤排出をおこなうか,分子素子交換に着目して研究しています.